小 篆(しょうてん)風 流れるような文字書体 小篆は紀元前221年、秦の始皇帝が中国を統一した後、統治の確立や度量衡の統一の他、文字の統一が行われて出来た公式書体です。中国統一前は、各地域に文字が存在しましたが、始皇帝に命じられた丞相・李斯が、それまで秦国で使われていた文字を元にして作ったといわれています。文字の形は縦長で、点画は水平・垂直で左右対称な線が多く、ほぼ曲線で出来ています。小篆風は、小篆を印に収まるように多少変形し、起筆・終筆・転折など小篆の線質を意識しながら制作します。
印 篆(いんてん)印章史上最高書体 小篆を直線・折線で表現し、印章用に収まりやすくしたもの。印篆は様々な形に変形することが出来、文字の組み合わせによって、どんな形の文字を使うかも技術の見せ所です。(当然ですが、文字の形を変形するにもルールがありますので、印章彫刻する者は必要最低限の文字の研究が必要不可欠です) 紙幣に印刷してある印影「総裁之印」の書体は印篆です。 最も印章向きの書体であり、伝統的で気品があり、重厚な印が出来ます。
古 印 体 読みやすい書体 日本で生まれた印章用の書体です。鋳印の際に生じた鋳だまりや、銅の流れぐあいによって生じた切れ切れの所があり、また、線を太細等の変化を付けて工夫された古雅な味があります。
印 相 体 開運書体 手相・人相があるように印にも印相があると一部で言われています。運勢を良くするために、姓名鑑定をし、それを元に篆書体をデザイン画にして配置します。姓名鑑定の結果には学術的根拠はなく、必ず運勢が良くなるとは限りません。しかし、吉相印を持つことが励みになり、しっかりと生きていけば、自然とよりよい方向へ向かって行くと思います。
隷 書 秦代の中期、下級官吏であった程邈が罪により牢中にある時この書体を考えたといわれていたが、 実際にはそれ以前から隷書の原型が存在していることが発掘により確認されました。特徴は横長で横線が太く、波磔と呼ばれる払いがあります。
草 書 隷書を早く書くことから必然的に生まれた書体で、後漢の張伯英により作られたといわれている。「ひらがな」の元になった書体です。
行 書 草書と同じで隷書を早書きした書体です。見た目は草書と楷書の中間です。
楷 書 隷書体に代わって、正式な書体になったのが楷書体です。
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