煌雅印の制作工程
布字の準備
彫刻する文字を簡単な字典で調べる。
字形を選び、文字を組合せて数パターン、デッサンする。
(うまく収まらない場合は、より詳しい字典で調べたり、文字の字源を調べ、字形のパターンを増やし、字法章法を駆使し、うまく収まるように推敲します。)
※point:字形、文字の成りたちはすべて記憶していないのと、勘違い防止のため、毎回、字典、時には字源字書を調べます。
印材の印面を紙やすり(400番)で擦り平らにする (平らに出来ないとしっかり押せない)。
印面に朱墨を塗る。
一字一字のスペースを決め、印面に専用の道具を使い区画線を引く。
布字
草稿を参考にして印面に墨で逆文字を書く (印面を鏡に照らし合わせながら朱墨と墨を交互に使いイメージ通りになるまで何度も修正します。)
※point:十分な納期(一か月以上)がある場合は、数日たってから、改めてチェックします。この確認作業により、別の視点から見ることで、新たな発見があります。字入れ作業は、良い印影を作るために特にゆっくり丁寧に行います。
荒彫り
枠・文字が残るように印面に凹凸を作る作業です。*文字を傷つけないように、深浅のないように彫刻します。
(起底刀は、1番刀(細)~6番刀(太)まであります)
2または3番刀で枠、文字(墨)の際に沿って不要な部分(朱墨の部分)を彫り起こす → (朱の)広い場所から6番刀、5番刀・・・の順に使い朱墨の部分が無くなるまで彫る。
中細の針で枠、文字(墨)の際に沿って不要な部分(朱墨の部分)を削る →(朱の)広い場所を太い針で削る → 最後に細い針で細かい部分を削る。
仕上げの準備
墨をとり、2000番の紙やすりで印面を磨く
印材によって、墨または朱墨を印面に打ちつけてぬる。
※Point:見栄えと仕上げ作業をし易くするために行います。印面調整・墨(朱)打ちを上手にしないと、押印しにくくなります。特に朱打ちの場合、朱墨が
盛り上がる特性上、気を付ける必要があります。(お客さんからは押しやすいと好評です。)
印面の淵を紙やすりで削る。※枠の強化のために行います。
仕上げ
仕上げ刀を使い、枠を均一の太さに揃え、文字の曲りを直し、文字に筆意等の流れをより精密に出す(一点一画まで気を配り、文字の流れ筆意を生かして仕上げます。)
※Point 筆(字入れ)では出し切れない文字の線の勢い・流れを出すことによって文字(印影)が生きてきます。
総仕上げ
印箋に押印し、それを見ながら、さらに印影がよくなるように修正する。
仕上げによって出来た土手部分を起底刀で削り取り、印面の底の深さを揃える。完成。
さらに私の作品の証明として専用の印箋に押印し、落款を書き、落款印を押す。